「水没ラベル」

聞きなれない言葉かもしれません。ラベルが水中に落ちてしまったわけではありません。「水没検知ラベル」などと呼ばれ、携帯電話などの小型で持ち運びができ、水の中に落としてしまう可能性のある機器が、本当に水に触れたのかどうかを検知するためのラベルです。




このラベルが必要とされるに至った背景は、電子機器が小型化され、より多くの方々が使うようになったからです。多くの機器は購入後1年間のメーカー保証がつきます。しかしその保証規定にはたいてい「保管場所」「使用場所」として「高温多湿でないこと」などと書かれています。防水ケータイであっても、水中で何をしてもいいというわけではありません。水没ラベルがなかった時代は、メーカーが明らかに水没が故障の原因だとわかっても、ユーザーにそれを証明する術がありませんでした。水没ラベルは、このようなメーカーの要望により生まれたラベルです。



水没ラベルは、主に赤色の水溶性インクで「●」や「×」をパターン状に印刷したもので、水没を検知すると、このインクがにじみます。一度インクがにじんでしまうと、元には戻りません。これにより、水没したケータイをよく乾かしたとしても、水没したことは明白です。

実際に水没ラベルはどのように使用されているのでしょう?まずはスマートフォンなど携帯電話の電池が入っている周辺を確認してみてください。電池パックのそのものに1枚、そして電池が入っている部分の周辺に少なくとも1枚見つけることができます。

こちらのスマートフォンにも、電池パックに1枚、電池収納部に2枚が使用されています。






しかし場合によってはもっと多くの水没ラベルが使われる場合があります。多くの携帯型電子機器で、ユーザーが目にすることができない部分にも水没ラベルが貼られている場合があります。例えばこの端末には基板に水没ラベルが貼られています。




では、水没ラベルが水に濡れるとどうなるのでしょう。試しにラベルを水の中に浸けてみます。



水は瞬時に赤いインクと反応し、ピンク色に変化を始めます。時間が経つにつれ、白い台紙部分にピンク色が広がっていきます。こうなってしまうと、もう水没ラベルは元の状態には戻りません。


場合によっては水没ラベルの過剰反応を抑えるために、PET素材を貼り合わせたり、貼付場所の構造を最適なかたちにしたりすることがあります。どの程度の水没状態でどの程度の反応を求めるかによって、水没ラベルの構造を様々に変化させます。

胸ポケットで人の汗では反応しないようにするのか。人の汗でも電子機器に影響があるので、胸ポケットでも反応させるのか。考え方は様々です。


水没ラベルの使用先はケータイに限りません。いえ、ケータイはそのごく一部でしかなく、皆さんの知らない場所で様々な水没ラベルが使用されています。

例えば水に濡れたことを確認してから出荷する製品には、ケータイとは全く別の用途になりますが水没ラベルが使用される可能性があります。しかし用途は別であっても、ラベルの機能性としては全く同じです。

このように、水没ラベル(水没検知ラベル)の用途は様々存在します。特に一部の製造分野では欠かせない存在になっています。

まずは弊社の営業にお問い合わせをいただければ、最適な使用方法をご提案させていただきます。



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