「自動化」

それは製造業にとって理想形のひとつである。間違いがない、作業時間が削減できるなど、メリットは多い。しかし三協シール印刷株式会社ではそれだけの目的でAutomation Engineを導入したのではない。


※本ページ最下部を更新しました


エスコグラフィックス社のAutomation Engineは、プリプレス(制作)ワークフローの自動化ソフト(サーバー)です。
特別な知識とセンスが必要で、手間と時間のかかるプリプレス工程の生産性、および処理量を向上します。

自動化するワークフローをあらかじめ作成しておき、そこにデータを投入することで自動処理がスタートします。途中でチェックが必要な場合はオペレータにチェックを促し、それ以外は基本的に自動で処理されていきます。

これだけを聞けば「単なる自動化ソフト」ですが、単純にソフトをインストールすればよいというものではありません。何を自動化するのか...それが重要です。

以前から確立、導入され、常に間違いのない製品の製造に役立てられていた三協シール印刷株式会社独自の生産に関する仕組みを、そのままこのソフトで自動化する取り組みが行われました。それは、プリプレスのすべての仕組みと、その周辺の業務のすべてを再確認するところから始まりました。どうしても自動化できない作業や、自動化しないほうが良い作業などもありますので、それらの分類は細部にまで及びました。これらの準備により、ようやく「三協シール印刷のワークフロー」が出来上がりました。これを何度も何度もテストし、間違いのない作業が行われるかどうかチェックが行われ、ほぼすべてのデータに対して利用が可能という結論に至り、正式に利用開始しました。


「検版作業も自動化」(コンペアーツール)

プリプレスの工程で最も重要な作業のひとつに検版作業があります。この作業は、通常は紙に出力して一字一字原稿のチェックを行ったり、出来上がった版を重ね合せて間違いがないかどうかを細かく見ていく地道な作業になります。この方法では非常に時間がかかり、作業者にも精神的な負担が非常に大きくのしかかります。このソフトでは、これらの作業も自動化されます。変更前と変更後のデータを重ね合せ、違いがあれば赤色などで警告をしてくれます。その赤色になっている部分がなくなるまでデータの変更を続け、警告表示が全くなくなれば、そのデータは一字一句間違いのないものということになります。



たとえばお客様からいただいた図面のなかで、前回と変更になった部分はどこか?というところを探す場合、図面データを重ね合わせれば、変更箇所は一目瞭然。このソフトの検版機能は様々な可能性を秘めています。


「トラップも自動」(オートトラップ)

複数色の印刷物に使用する版を作製する前のデータ処理は複雑な場合が多々あります。たとえばトラップ処理。異なる色が隣り合う場所では、ごくわずかにそれぞれの印刷色が重なり合うようにデータを加工します。この処理がないと、印刷時のわずかなずれが、印刷物で目立つようになってしまいます。しかしこのトラップの作業は、プリプレスのオペレータには印刷の知識などのほか、処理作業の熟練を要するものになります。どの色とどの色は、どちらが先に印刷されて、その重なりはどれくらいにするのが良いのかと、画面を目の前に悩むこともあります。またその作業に間違いが生じれば、印刷工程に入ってからでないと発見されない場合が多く、その場合の時間的なロスも無視できません。

オートメーションエンジンのオートトラップ機能は、これら熟練したオペレータが考えながら作業する工程を自動で行ってくれます。自動でどこまで適切な処理ができるのか?とお思いかもしれませんが、よほど特殊なデータでない限りはほとんど間違いなく自動処理してくれます。最大のメリットは、常に同じ基準で間違いのない処理をしてくれるということ。処理忘れなどは発生しません。それは印刷〜検査〜出荷へとスムーズな流れを維持するのに非常に有効です。

「わかりやすいインターフェース」

このワークフローをご覧ください。まるで鉄道の路線図のようではありませんか?鉄道は道路と違い、ポイントの切り替えさえ間違えなければ、時間通りに目的地に到着できます。


三協シール印刷株式会社のプリプレス工程も、このように路線図が描かれており、そこにデータが投入されます。データは一両の電車のように走り始め、途中の各ポイントは明確に切り替え先を判断できるように作られていますから、自動的に、間違いなく、迅速に「製版」という終点に流れていきます。


しかも始発駅が必ずしもプリプレスの工程内というわけではありません。一部営業や業務の領域からスタートすることで、より多くの範囲の自動化がなされ、それが印刷工程へとつながっていくことで、さらに広い範囲の三協シール印刷株式会社の作業が、確実かつ正確に進んでいきます。


三協シール印刷株式会社では、この将来性の高いソフトを十二分に生かして、お客様のご要望に的確に迅速にお応えできる体制を維持してまいります。



★2021年6月22日★

このたび本ソフトウェアのリリース元であるエスコグラフィックス社より、本ソフトウェアの活用例を取材したいとのお話をいただき、同社ホームページで「導入事例」として取り上げていただきました。


紹介資料:https://www.esko.co.jp/pdf/2021_sankyo.pdf
導入事例ページ:https://esko.co.jp/case.html

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